温度を測定したくて使う工具といえば温度計です。
そんな温度計の多くは測定部を測定物に当てて測定をしますね。
人の体温測定などでは問題ありませんが、機械の測定ではその方法では難しいのです。
なぜなら、機械は測定物部を固定する方法がなかったり、測定物が常に振動しており、測定が難しいのです。
たまたま、動いている状態の機械温度を測定する必要があったので、前から気になっていた『放射温度計』を購入してみました。
使ってみると、仕事だけではなく、家庭でも使用出来るのでマジおススメです。
便利な放射温度計の原理
全ての物体は熱を発生しています。
つまり、熱を発生しているという事は、赤外線を出しているということなのです。
この発生している赤外線を利用して温度を測定するのが、放射温度計です。
放射温度計のメリット
メリット①非接触測定
放射温度計の一番のメリットは非接触で温度が測定出来る事です。
私が購入した理由も非接触で温度を測定したかったためです。
仕事で度々扱うモーターは、電気エネルギーを回転エネルギーに変換します。
このエネルギー変換の時に、エネルギーの一部が熱エネルギーになってしまいます。
つまり、モーターの動作中は熱が発生しているのです。
このモーターの熱を測定したかったのですが、モーターは微細な振動をしているので、温度計で測るのは少し手間です。
そこで、前々から気になっていた放射温度計を購入したわけなのです。
メリット②高速測定
メリットの二番目は高速で測定が出来る事です。
温度計は測定に多少の時間がかかります。
その点、放射温度計は直ぐに温度が測定出来ます。
あまりに早く測定出来るので、測定が楽しくなります。
放射温度計IR-210レビューと使い方
私が購入した放射温度計はレバー型です。
少し大きく、コンパクトではありませんが、大きすぎるサイズではないので、カバンに放り込んでいます。
デジタルパネルがついており、このパネルに温度表示がされます。
トリガーを引くと測定が出来ます。
購入した放射温度計の型式はIR-210。
測定温度範囲は-50~330℃です。
普通の生活なら、この範囲で問題ありません。
330℃よりも高温を測定したい場合は、違う型式を選ぶ必要があります。
放射温度計を選ぶ際には、距離に対する測定範囲を選ぶ必要があります。
IR-20放射温度計は、距離(D):スポット(S)=最小12:1です。
つまり、60センチ先の温度を測定する場合は、測定範囲が直径5センチ。
100センチ先の測定をする場合は、測定範囲が直径8センチになります。
放射温度計は様々な機種が発売されていますが、安い機種の多くが、D:S=1:1です。
つまり、60センチ先の温度を測定する場合、測定範囲が直径60センチ。
100センチ先の測定をする場合は、測定範囲が直径100センチになります。
測定物に近づけない場合は、1:1のモノを購入すると、測定範囲内に測定物以外も含まれてしまうかもしれません。
直径60センチって大きいですよね。
測定物と設置されている地面などが含まれた場合、正確な測定が出来ない可能性があります。
そこで、10:1あたりの測定範囲を持つ放射温度計を選ぶと使いやすいと思います。
動作電源は電池です。
電池寿命は約12時間です。
十分な可動時間です。
電池はグリップ部に収納されます。
電池と配線との取り付け部は安っぽい作りです。
私の場合は自分で改造も出来るので、気にはなりません。
放射温度計で測定スタート
レーザーマーカー表示がある放射温度計を選んだので、測定したいモノにレーザーを当てると測定が出来ます。
このレーザーマーカーがあると、測定している場所がわかりやすいです。
放射温度計を購入する際には、必ず、レーザーマーカー機能があるタイプを選んで下さい。
まずは、飲んでいたコーヒーを測定。
レーザーをコーヒー面に合わせます。
放射温度計IR-210は、レバーを握っている間は、常に温度測定を測定しています。
レバーから指を離すと測定温度が固定されます。
コーヒーの測定温度は44℃でした。
タンポポの葉を測定。
23℃。
蛇口は20.8℃。
金属なので、タンポポの葉よりも若干冷たいです。
蛇口から出る水は16.8℃。
普段は気にした事のない温度を、気軽に知る事が出来るので楽しいです。
放射温度計が生かされる測定物を測定してみました。
草刈機の排気口を測定します。
排気口は熱や振動から、普通の温度計では、測定が難しいですよね。
草刈機のアイドリング中の排気温度は27.2℃。
草刈機のアクセルを上げて、最高回転にします。
振動も多いので、温度計では測定が難しい状態ですが、放射温度計なら簡単に測定出来ます。
レーザーを当てて、レバーを引けば測定完了です。
温度は61.8℃。
回転数が増えると、エンジン温度も上がり、伴って排気温度も上がります。
最後にパフェを作って測定です。
クリームの下にはアイスを入れてあります。
測定温度は7.9℃。
冷たくて美味しかったです。
最後に
いかがだったでしょうか?
測定が簡単なため、使っているうちに楽しくなってくる道具でした。
家庭では、油料理の際に利用すると簡単でいいかもしれません。
レバーを引けば、直ぐに測定完了ですよ。
手のひらの温度を測ったり、飼っているカメの温度を測ったりと、放射温度計の活躍の場は貴方しだいです。
変温動物を飼っている方は、体温計代わりに測定出来るのでおススメです。
実際に放射温度計を使用した経験を生かして、おススメの機種を載せておきます。