木加工

巣箱の作り方を説明【シジュウカラ編】

近年、野鳥界は住宅難です。生息環境の悪化で、巣づくりができる場所が減少しています。

例えば、土手に巣を作るカワセミは、護岸工事による河川のコンクリート化により、営巣場所の確保が出来なくなっています。

森や林では、大木や老木が切られて減少しています。大木や老木には樹洞が数多くあり、大木・老木の減少は、樹洞で営巣する野鳥にダメージを与えているのです。

そのため、「巣箱」による営巣場所の提供は、野鳥保護の面からも大切です。

巣箱でシジュウカラを呼ぶ

巣箱について

シジュウカラのヒナ

巣箱を利用する鳥は決まっており、穴に営巣する種類です。

フクロウなども巣箱を利用しますが、家庭でも身近で観察しやすいのがカラ類。

家の庭や公園で見かけた事がある人も多い鳥です。

シジュウカラのヒナ

カラ類とは?

この「カラ類」とは、○○カラという名前の小鳥をさします。

「カラ類」の「カラ」は漢字で「雀」と書きますが、雀は「カラ類」には含まれません。

TVや本で「カラ類」が観察できる とありますが、

これは○○カラと△△カラ、□□カラの複数種が混在しているという意味です。

カラ類の種類

カラ類は6種類の鳥を指します。

  1. シジュウカラ
  2. ヤマガラ
  3. ヒガラ
  4. コガラ
  5. ハシブトガラ
  6. ゴジュウカラ

ね。

みんな「カラ」ってつくでしょ。

「カラ類」とは、この6種類です。

細かく言うと、⑥ゴジュウカラだけは分類が少し違います。

まー「カラ類」とはシジュカラ、コガラ、ヤマガラなどを含めた総称と知ってもらえればOKです。

巣箱作り時期のポイント

シジュウカラやヤマガラは、3月末から4月に巣作りの準備を始めます。

子育て時期の春よりも前から物件を確認!

そう。

人と同じで、春よりも少し早い時期から巣を探し始めるのです。

シジュカラは適当な巣穴を見つけると、巣材集め、産卵、子育て、と進みます。

まだ肌寒い時期から準備をする事で、ヒナがエサをたくさん求める成長期と春のエサが豊富な時期が重なるのです。

そのため、シジュウカラをターゲットにした巣箱の設置は、春の繁殖期が始まる前が大切。

また、シジュウカラは寒い冬には、巣箱をねぐらとして利用します。

冬に利用した巣箱を春の繁殖でも利用する確立は高いので、巣箱は秋には設置したいところ。

春の繁殖時期を逃しても、夏に2回目の繁殖期がある

巣箱作りを春に思い立った方でも大丈夫!

シジュウカラの繁殖は、一年で一回ではありません。

夏に2回目の繁殖期があります。

だいたい7月頃が2回目の繁殖期なので、その時期を目指して巣箱を作成してもいいでしよう。

巣箱の入手

巣箱はホームセンターやネットで完成形が販売されています。

作るのが面倒だったり、費用を抑えたい方は完成品の購入もありです。

また、巣箱の組立てキットも販売されています。

組立てキットは事前に板がカットされており、面倒な入口の穴も開いています。

プラモデルを組む感覚で巣箱が作れるので、小さなお子さんと楽しむなら、組立てキットがおススメです。

プラスドライバーだけで組み立てられます。

自作巣箱は個数によっては、材料や工具の購入があるので割高。

野鳥観察の第一歩として、完成品で様子を見るのもいいでしょう。

野鳥が巣箱を利用するのが分かってから、自分で巣箱を作るのもありです。

巣箱を手作り

完成品では物足らん!

そんな人は巣箱の自作です。

実は巣箱作りに難しいことはありません。

簡単なので2個以上作りたい人や、毎年作りたい人は巣箱は自作の方がおススメです。

巣箱のアレンジも自作ならでは。

一度工具が揃えば、費用も抑えれます。

木材

自分で巣箱を作ると決めたら、材木を選びます。

材木の種類はこだわる必要はありません。

野外に設置するので、安い材で十分です。

私は今後の入手しやすさ、価格を考慮しました。

選んだ材は 杉野地板 5枚束。

ホームセンターで税込み1,080円でした。

杉板

サイズは

杉板180mm

幅180mm

杉板

長さ1820mm

杉板12mm

厚み12mm

野地板とは

野地板は屋根の下地材として使用される板です。

安価ですが、表面がザラザラと荒れているのが特徴。

杉板表面

写真のようにササクレが多いので、手に刺さらないように注意が必要な材です。

杉板

野地板は束で販売されていますが、未乾燥材です。

束の表面の板は水分が飛んでいますが、間の材には水分が多く残っています。

表面のササクレを削るなら、日陰で2~3日乾燥させてから作業して下さい。

サンドペーパーの№60~90が効率がいいですよ。

日光で急速に乾燥すると薄い野地板は反るので、日陰でゆっくりと

巣箱のレイアウト

巣箱のレイアウト

まずは、巣箱の形を考えます。

観察用なので、見栄えを気にしないシンプルな形にしました。

シジュウカラ巣箱の図面

分解図面はこんな感じ。

一旦、書き出すとカットする板のイメージしやすくなります。

購入した杉野地板180*1820*12の1枚板から、1個の巣箱

板の準備

パーツのイメージができたら、板に書き出します。

杉板

図面のサイズで線を引くだけですが・・・

線が引けない!

杉野地板の水分が多すぎて、鉛筆で線が引けません。

杉板

乾燥しておらず、軟らかいので材が凹んで色がのりませんでした。

杉板

乾燥しろよ!

との声が聞えてきそうですが、作業続行。

会社員には決まった休みしかないので、作業の延期はしたくない。

そこで無理やり、マッキーで引きました。

油性マッキーですら、線が薄い始末。

杉板

なんとか、線が引けました。

板の準備はこれでOK。

あとは線通りにカットします。

巣箱作りの道具

巣箱作り道具

一旦、私が使用した道具の紹介。

仕事で使う工具が多いので、巣箱作りでも活用しました。

一般家庭にはない道具が多いと思いますが、この道具が必ず必要なわけではありません。

ただ、効率化のため、多くの道具を用いました。

板のカット

卓上ゾー

板のカットには卓上ソーを用いました。

一般家庭にはまずない、道具です。

卓上ソー

卓上ソーは机の内側から、ノコギリの刃が出てきます。

この刃が高速回転する事で、板を簡単にカットする道具です。

卓上ソー

板を手で回転する刃に押し当ててカットします。

直線的にしか板をカット出来ませんが、巣箱作りでは直線だけなので、効率が良いです。

巣箱作りに必要な道具

板のカットにはノコギリでも問題ありません。

杉野地板は軟らかい材なので、ノコギリでも簡単にカット出来ます。

杉板分割

卓上ソーを使って板をひたすらカット。

作業がしやすいように、長い板を短くなるようにカットします。

卓上ソー

短くなった板を幅150mmになるようにカット。

元々が180mmなので30mmカットします。

こういった幅の狭いカットは卓上ソーは苦手です。

狭い側を手で押さえると回転する刃に巻き込まれる可能性があります。

こういったカットでは、狭い側を端材の板で押さえながらカットすると安全。

杉板カット面

卓上ソーでのカット断面はこんな感じ。

高速で回転する刃でカットするので、断面はキレイです。

杉板

パーツがカットできたら、底板に水抜き用の穴を開けます。

この小さな板になった状態のほうが、作業がしやすいです。

インパクトドライバー

使うのは、インパクトドライバーとドリル刃。

底板穴あけ

刃のサイズは6mmを選びました。

穴あけ時には、下には捨て材を置いて穴あけをします。

直に地面だと、穴が後に地面に刃が接触して、刃先を痛めます。

底板穴あき

材が鉄ではなく、軟らかい木なので簡単に開きます。

インパクトドライバーは木材加工には必需品の道具。

杉板穴あけ

この巣箱作りで一番面倒だと思うのが、正面の入口用の穴あけです。

この穴径を広くしすぎると、シジュウカラ以外の野鳥が巣箱を利用したりするので、重要なヵ所です。

入口寸法

私は、シジュウカラが入口を口で広げる事を考慮して、直径28mmに決めました。

ホルソー

入口の穴あけにはホルソーを使います。

これも一般家庭にはない道具です。

この道具は回転する刃として使え、木材に穴を開ける事が出来ます。

ドリル刃と違い、穴径が広い場合に使う道具です。

ホルソー寸法

たまたま持っていたホルソーが28mm前後なので、一発で穴あけが終わる計算です。

ホルソーの取り付け

ホルソーをしっかりとドリルのチャックにくわえます。

ホルソーの穴あけ

あとは、穴を開ける場所に押し当てて、開けます。

ドリルの刃同様に、下には捨て材や空間を開けて使用すると刃先を痛めません。

巣箱入口の穴

ホルソーを使えば、こんな感じで巣箱の入口の穴が開けられます。

巣箱の入口寸法

寸法を確認。

28mmで開いています。

鑢がけ

ホルソーで開けるとバリが出るので、木工用鑢でキレイにします。

鉄用鑢と木工用鑢の違いは、目の粗さ。

木材は削りカスが目に詰まりやすいので、鑢の目が粗くなっています。

ボンドつけ

全てのパーツが完成したら、組立てです。

使うのは木工の定番、ボンド。

ボンド組立て

パーツを組み立てます。

少しボンドがはみ出るぐらいがベスト!

巣箱作り方

正面から見るとこんな感じ。

ん~それっぽいです。

巣箱蝶番

屋根を取り付けるのに忘れてはいけない、蝶番。

巣箱は使用すると、巣材などで汚れます。

何度も再利用するには掃除が不可欠で、フタを開閉式にする事で掃除をやりやすくします。

巣箱丁番

蝶番はこんな感じでつけます。

取り付け面を間違えると、開かない屋根が出来上がるので、つける前に確認して下さい。

巣箱のフタ開閉

屋根に蝶番を付けたら、開閉の確認。

こんな感じで屋根が開くと掃除が出来ますね。

底板カット

組み当て終わると、底板の寸法間違えが判明。

巣箱の設置方法を考えると、余り分が干渉してしまい問題あり。

ノコギリで余り分をカット。

側面以外なら、カットしなくても問題ありません。

巣箱の塗装

巣箱ニス

巣箱が完成したら、塗装をします。

使ったのはダイソーで売っていた、水性ニス。

実は巣箱には、塗装やニスは必要ありません。

が、私は外の面だけ塗ることにしました。

野外の環境下で、木材の耐久性を上げるためです。

せっかく作ったので、何年も再利用出来たらいいなーという考えです。

巣箱ニス

全面にニスを塗って終了。

塗りたてのニスは色が少し紫がかっています。

水溶性ニスなので、日陰でのんびり乾かし、巣箱作りは終了。

まとめ

シジュカラの巣箱

ニスが乾くと、茶色になりました。

背面板に穴を開けて、針金等で縛れば設置も簡単。

道具や手順が分かっていれば、1時間ほどで作れます。

皆さんも作ってみてね。