機械の修理・構造

草刈機のエンジンを分解

草刈機エンジン

近頃はホームセンターで安い草刈機が売っています。

そんな草刈機のトラブルとして多いのがエンジントラブルです。

使いたいのにエンジンがかからない!

そんな経験をした方も多いはず。

今回は草刈機のエンジンを手に入れたので、草刈機のエンジントラブルの原因を説明しながらバラバラに分解します。

草刈機のエンジン分解

エンジン型式

草刈機エンジン

手に入れたエンジンはこれです。

AGRIPの草刈機で使われていたエンジン。

草刈機のエンジン型式

エンジンには型式やシリアルナンバーがあります。

故障すると必ず必要となる重要なラベルです。

このラベルから部品を調べます。

エアクリーナー部を分解

草刈機エアクリーナー部

エンジンは空気とガソリンによる混合燃焼により動作します。

意外と知られていませんが、エンジンには空気の吸い込み口があるのです。

このエンジンはエンジン側面の四角いボックス内が空気の吸い込み口。

フタを外すため、プラスドライバーでネジを外します。

草刈機エンジンエアクリーナー

フタを外すと四角いスポンジが見えます。

このスポンジは空気に混じる比較的大きなゴミを取り除く役割をします。

このスポンジがゴミで詰まると、空気が足らずエンジンの吹き上がり(パワー)が出なくなります。

特に草刈機は、草刈作業で細かい草が舞い散るので、エアクリーナーが詰まりやすいです。

定期的にエアクリーナーについたゴミを取り除くのが、エンジンを長持ちさせる秘訣です。

まれに、このエアクリーナーを取り除いて使用する人がいます。

しかし、エアクリーナーがないとゴミがエンジンに入り込み、エンジンのピストンを傷つける原因になります。

ピストンが傷つくと部品交換が必要になり、修理費用もすごく高くなります。

エンジンを大切にするなら、エアクリーナーは必ず付けて下さい。

草刈機エンジンエアクリーナー部

エアクリーナーを外し、プラスネジを外してさらに分解。

草刈機エンジンエアクリーナー部

プラスネジを2本外すと、エアクリーナー部が外れます。

下に見えるのがキャブレター。

キャブレターはエンジン故障が一番多い部分です。

草刈機エンジンエアクリーナー部

エアクリーナー部から、外した部品がこれ。

この部分にチョークが付けられています。

写真はチョークが閉まった状態。

空気が吸い込めず、濃い燃料がエンジンに入ります。

使い始めなど、エンジンが冷たい状態の時にはチョークを閉めて、濃い燃料を送りエンジンを始動します。

草刈機エンジンチョーク

赤いチョークレバーでチョークの開閉を操作します。

このチョークレバー位置でエンジンに吸い込まれる空気量が変わります。

草刈機エンジンチョーク

チョークを開いた状態。

穴が全開になり、エンジンに空気が一番入ります。

作業時はこのチョークを開けた状態で作業します。

つまりチョークは、

エンジン始動時は閉め状態。

エンジンがかかったら、チョークを開け作業開始です。

草刈機エンジンチョーク

チョークはシンプルな構造。

材質もプラスチックなので、ぶつけて破損も多い部品。

チョークレバーが草刈機の下になるよう置くと、力がかかり破損してしまいます。

草刈機の置き方には気をつけて下さい。

キャブレター分解

草刈機エンジンキャブレター

エンジン故障原因の一番多い部品がキャブレターです。

キャブレターはエンジンが求める混合気を、適切な状態で適切な量を供給する役目をしています。

草刈機エンジンキャブレター

アクセルワイヤが繋がっており、アクセルを上げると吸い上げられる燃料量が増え、回転が上がります。

草刈機エンジンキャブレター

キャブレター分解ではアクセルワイヤーを外す必要があります。

アクセルワイヤーのナットを緩め。

草刈機エンジンキャブレター

アクセルワイヤーが緩んだ状態で、先端を引っかかりから持ち上げて外します。

草刈機エンジンキャブレター

アクセルワイヤーは故障の原因が少ない部品。

稀に先端のカシメの脱落や、錆によるワイヤーの動き不足があります。

草刈機エンジンキャブレター

アクセルワイヤーを外したら、キャブレターについている燃料ホースを外します。

材質はゴムですが、劣化により固着している場合が多いです。

切らないように細いマイナスドライバーでホースを外します。

草刈機エンジンキャブレター

ホースはタケノコ金具に刺さっています。

草刈機エンジンキャブレター

ホースは燃料の入と出でわかれています。

ホースを外す際にはどちらに付いていたか、写真を撮っておくと間違えずに組めます。

草刈機エンジンキャブレター

アクセルワイヤーと燃料ホースを外すと、キャブレターがエンジンから外せます。

キャブレターをいじるなら、この状態にすると作業がしやすいですよ。

草刈機キャブレター

こちらが、エンジンに接する面。

キャブレターは左右のエンジン取り付けネジの位置は同じです。

そのため、慣れるまでは裏と表の面を間違えて取り付けてしまいます。

間違えても直ぐ気づきますが、効率が悪くなります。

キャブレターを外すときは、外す前の状態をよく確認して下さい。

草刈機キャブレター上側

キャブレターの上面。

キャブレター上面はアクセルワイヤーが取り付けられるようになっています。

左に付いているネジでアクセルワイヤーの引きが量が調整出来ます。

キャブレタープライマリーポンプ

キャブレターの下面。

中心に見えるのが、プライマリーポンプです。

草刈機キャブレタープライマリーポンプ

このポンプを押す事で、燃料をキャブレターに送り込みます。

このプライマリーポンプが切れると、燃料が漏れたり、エアーをかんだり、とエンジン故障の原因が多い部品です。

エンジンキャブレタープライマリーポンプ交換

キャブレター分解は下面から分解します。

まずは、プライマリーポンプの取り外し。

プライマリーポンプを取り付けている金具を外します。

この部分は、多くの草刈機で共通の仕組みなので、分解方法も同じ。

プラスネジを4本外します。

草刈機エンジンプライマリーポンプ

ネジを外すと金具とプライマリーポンプが外れます。

プライマリーポンプが切れた場合は、この方法で金属ごとプライマリーポンプを取り外します。

草刈機エンジンプライマリーポンプ交換

この状態なら、金属とプライマリーポンプはくっついているだけです。

下から、プライマリーポンプを押すと金属から外せます。

草刈機エンジンキャブレター

キャブレターの下側の部品はこんな感じ。

プライマリーポンプを押さえている金属は上下で少し形が違います。

向きを間違えると、キャブレターと干渉して取り付けられません。

無理やり付けると、キャブレターの破損や、燃料漏れにつながるので注意。

さらにキャブレターを下面から分解します。

草刈機キャブレター部品

プライマリーポンプを押さえてネジを外すと、プラスチックの部品が外れます。

ネジが外れていれば、手で簡単に外せます。

草刈機エンジンキャブレター分解

プラスチック部品を外すと見えるのが、ダイヤフラムです。

草刈機エンジンキャブレター

ダイヤフラムは薄い弁のような部品。

このダイヤフラムが経年劣化でヘタるのが、草刈機で多い故障です。

草刈機キャブレターダイヤフラム

ダイヤフラムは中心のシルバー部の周囲が軟らかい部品です。

この軟らかい部分が、硬くなると燃料を吸い上げられず、「エンジンが最初はかかるけど、続かない」という症状になります。

この症状は、エンジン始動はプライマリーポンプで燃料を送りますが、その後はダイヤフラムが硬く、自動で燃料を送る動作が出来ないためです。

草刈機ダイヤフラム

この部分の分解も進めます。

ダイヤフラムはガスケットと一体で、キャブレターから外します。

草刈機ダイヤフラム交換

このダイヤフラムとガスケットは取り外すと、再利用は出来ません。

外すなら、事前にこの部品の準備をして下さい。

キャブレターとしっかりとくっついているので、取り外しは少し苦労します。

細いマイナスドライバーやカッターなどを使用して、キャブレターから剥がすイメージですると上手に外せます。

草刈機ダイヤフラム

外したダイヤフラムとガスケット。

一つの部品に見えますが、2枚の部品が重なっています。

シルバーの部分が付いているのが、ダイヤフラム。

その下に重なり、ほとんど見えないのがガスケットです。

草刈機ダイヤフラム

内側から、部品を確認。

中心の部品がダイヤフラムのポンプの役割をします。

周囲の少し色が変わって見えるのが、ガスケット。

草刈機ダイヤフラム分解

ダイヤフラムとガスケットを剥がします。

隙間にカッターを入れて剥がします。

草刈機ダイヤフラム分解

このように外すしかなく、外したダイヤフラムとガスケットには傷が付きます。

ようやく、ダイヤフラムとガスケットが別の部品だとわかりますね。

草刈機ダイヤフラムとガスケット

外したダイヤフラム(左)とガスケット(右)。

この状態になった段階で、再利用は出来ません。

必ず、一緒に新品部品に交換します。

値段も安い部品なので、ケチらないで。

草刈機キャブレター分解

ダイヤフラムを外すと、キャブレターが見えてきます。

中心部に見える金属部品がゴミで詰まる故障も多いです。

ゴミが引っかかり、バネと金属弁が正常に動作しなくなります。

草刈機キャブレター分解

この金属部品も分解します。

この部品は通常は分解しません。

ゴミをとるなら、キャブクリーナーやパーツクリナーで吹けば大丈夫。

この部品は小さく、野外では紛失の恐れが高いので、分解はしないほうがいいです。

草刈機キャブレター分解

小さなプラスネジを外すと、レバーとシャフト、バネが外れます。

草刈機キャブレター分解

外れた部品。

小さいのがわかると思います。

バネが付いているので、外した際に吹っ飛ぶ可能性もある要注意部分。

草刈機キャブレター分解

一旦、キャブレターを確認。

下面がなくなったので、スッキリした感じ。

今回はさらにキャブレターを分解します。

草刈機キャブレター分解

黒いパッキン部に細いマイナスドライバーを差し込みます。

この黒い部分はガスケットです。

先ほど同様に分解すると、傷がついたりするので、再利用はしません。

草刈機キャブレター分解

少し力を入れてやれば、分解出来ます。

ネジなどで固定はされていません。

草刈機キャブレター分解

完璧に開くとこんな感じ。

キャブレターの溝とガスケットの形がピッタリと合っています。

これにより、燃料がキャブレターから漏れないのです。

草刈機気キャブレター分解

ガスケットをキャブレターから剥がします。

マイナスドライバーなどで、キャブレターに傷を付けないように注意。

草刈機ダイヤフラムとガスケット

先ほどとは違い、ガスケットが2枚重なっています。

丁寧に剥がします。

草刈機ガスケット

外したガスケット。

2枚が重なっていたのが、わかります。

何度も言いますが、この状態のガスケットは再利用出来ません。

新品交換して下さい。

形が複雑なガスケットなので新品交換では、左右や上下、前後を間違えないように組み付けます。

草刈機キャブレター

外したキャブレターを確認。

燃料吸い込みラインに、こし網が付いています。

草刈機キャブレター

こし網に錆やゴミが詰まる故障もあります。

キャブクリーナーやパーツクリーナーでゴミを落せば大丈夫。

この網は外してはいけません。

軽く、軟らかい材質です。

また、部品として注文出来ない場合が多く、外すとキャブレターを直せない事態になります。

草刈機キャブレター

残りのキャブレターを確認。

キャブレターが大分小さくなりました。

草刈機キャブレター分解

ここまでくると、分解する部分は殆んどありません。

パッキンを外して、

草刈機キャブレター分解

キャブレターの上部を外します。

プラスネジを外せば、本体から外せます。

草刈機キャブレター

部品が外れたキャブレターを上から。

中に細い筒が見えます。

草刈機キャブレター分解

横から見ると見やすいですね。

この筒の内側に細いピンが通ります。

キャブレターはそのピンの動きで、燃料の量を調整しています。

草刈機キャブレター分解

キャブレターから外したアクセルワイヤー部。

この部分にピンが確認出来ます。

アクセルワイヤーにピンがつながり、ワイヤーが引っ張られると、ピンが連動して引き上げられて、エンジンに吸い込まれる燃料量が増えます。

草刈機キャブレター分解

アクセルワイヤー部をさらに分解。

草刈機キャブレター分解

中心に見えるネジをマイナスドライバーで外します。

この部分は通常外す必要がありません。

私はだた分解しているだけですので、組み直す気はありません。

草刈機キャブレターを分解

ネジを外してさらに分解。

小さな部品が複数使われています。

バネやEリングが使われていました。

草刈機キャブレター分解

残ったアクセルワイヤー部を確認。

これ以上は分解出来ません。

材質がプラスチックで、圧入で部品組みがされているので、外しても組み直せません。

草刈機キャブレター部品

分解したキャブレター。

多くの部品が使われています。

一番多い、草刈機エンジンの故障部位。

キャブレターの分解が身に付けば大抵のエンジン不具合は直せるようになります。