プーリーの外し方に悩んでいるあなたへ
「モーターのプーリーを外したい。プーリーが外せない。プーリーを外す工具は?」
こんな疑問に答えます。
- プーリーの外し方
この記事を書いている私は、仕事でプーリーを扱っています。古いプーリーを新品に交換する作業もしており、そんな経験から記事を書いています。
プーリーは様々な箇所で使われています。見る機会が多い箇所としては、モーターやエンジンだと思います。使われている箇所の多いプーリですが、新しいプーリーの選定や外し方が難しい部品でもあります。
プーリーは使用状況によりサイズや形は様々ですが、ベルトをかけて使用する部品であるのには変わりません。形が異なっても外し方の基本は同じです。
今回は、モーターのプーリーを外す方法で説明します。
モーターのプーリーを外す方法
モーターの確認
まずは、モーターのラベルを確認します。
モーターラベルを読むと、0.4kw 4p 電源電圧のAC100VとAC200Vで接続を変更すると使えるモータだとわかります。製造メーカーは日立。
ラベルはモーターのベアリングを交換する際には大切な情報を含んでいます。モーターのベアリング交換は【モーターベアリング交換】を参考にして下さい。
プーリーの確認
モーターについているプーリーを確認します。
プーリーには【A1 5 】という印が確認出来ます。既存のプーリーにアルファベットと数字の印が確認出来れば、新しいプーリーの注文が簡単です。
プーリーの印【A1 5】は、プーリーのサイズを表しています。
【A1はAベルトを1本がけ。】【5は、プーリーサイズが5インチ】という意味です。
私が仕事で実際に扱ってるメーカー(鍋屋バイテック会社)のカタログ請求ページを載せておきます。無料なので安心してリンク先を覗いて下さい。そのページ内の【傳動機器虎之巻®】がプーリーのカタログです。PDFファイルでダウンロードも可能。カタログ請求も無料なので、カタログ請求してプーリーの勉強をするのもおススメです。
プーリー製造メーカー:カタログ請求ページ
プーリーに欠かせないのが、ベルトです。このベルトもサイズや形が様々あるので、慣れるまで選定に悩むと思います。
そこで、ベルト製造メーカー(三ツ星ベルト株式会社)のカタログ請求ページを載せておきます。三ツ星ベルト株式会社のカタログも無料ですが、PDFでダウンロードのみです。データーサイズが大きいですが、ページ内の【製品一覧表】が、勉強になります。
三ツ星ベルト株式会社:カタログページ
プーリーの外し方
上記のプーリーは、モーター軸にプーリーが刺さっているだけのタイプです。通常プーリーは交換しませんが、ベルトによる摩耗やモーターの分解で外す必要がある際には、油を準備します。
写真のように長年プーリーが軸に刺さったままだと、軸とプーリー間に錆が発生して抜けない場合があります。錆で固着した状態でプーリー抜きを使用すると、プーリーが欠けてしまいます。
そこで、油を染込ませてプーリーを抜きやすくします。
軸に油をしっかりと染込ませます。この油をあげてから、少し時間を置いて作業を始めた方が、油が浸透して抜けやすくなります。
砂埃が多い場合は、砂埃を取り去ってから油をつけます。歯ブラシは汚れを落すのに使いやすい工具の一つです。
モーター軸とプーリーの間には、マシーンキーが入っています。モーター軸とマシーンキーとプーリーを固定するために、押しボルトも確認出来ます。
大抵のプーリーの取り付け方は、これと同じです。
最初は、押しボルトをメガネレンチで外します。(この押しボルトが、六角レンチで外すモノもプーリーには多く使用されています。)
ボルトを外す場合は、基本的にメガネレンチで外します。メガネレンチは、ボルトから工具が外れにくく、トルクもかけられます。スパナと比べて、ボルトの頭を痛めにくいのが特徴です。
一旦ボルトが緩めば、スパナでボルトが緩められます。
ボルトを外しました。
プーリーを外す工具
プーリーの取り外しには、ギアプーラーという専用の工具があります。私たちはプーリー抜きとも呼んでいる工具です。
ギアプーラーはくわえられるサイズが決まっています。外すプーリーの外形に合わせて、プーリーを選定します。サイズは75・100・150が一般的です。
今回外すプーリー(A1 5)は、外形が127mmです。このサイズを外すには、ギアプーラー150が使用できます。
ギアプーラーには、爪が2本タイプと3本タイプがあります。2本爪タイプが扱いやすいですが、固着の激しい場合には3本タイプを使用します。
軸の中心とギアプーラーの中心を合わせて使用します。
プーリーの外側にギアプーラーの爪をひっかけます。隙間が少ないと爪がひっかからない場合は、薄爪のギアプーラーを使います。
ギアプーラーのシャフトを回転させてプーリーを外します。モーターのプーリーを外す際には、ギアプーラーのシャフトを回転させると、モーター軸も供回りします。供回りを防止するために、細い棒をギアプーラーにかけます。
ギアプーラーのシャフトを押し込み続けると、プーリーが抜けます。
忘れてならないのが、マシーンキーです。錆のためモーター軸についたままでした。
マイナスドライバーを斜めに差し込み、叩くとマシーンキーが外せます。
まとめ
プーリーの外し方は以上です。
錆がひどい場合は、プーリーをバナーで炙り、熱をくわえて外す場合もあります。
ギアプーラーはトップ工業製がおすすめです。耐久性が抜群です。
家庭で気軽に使うなら、下記のがおすすめです。価格も安く、三本爪なので、錆びたプーリーでも活躍してくれます。
HWT ギアプーラー 100mm プーリー抜き 3本爪 日本語説明書 シャフト抜き ギア 外し フライホイールプーラー (3本爪100mm)