望遠

マクロレンズは「寄れる」が特徴

昆虫撮影のような小さなモノの撮影ではマクロレンズを使用します

「マクロ」と付きますが、他のレンズの違いがわからない方も多いのではないでしょうか?

なぜ、昆虫撮影でマクロレンズが使われるのか。

他のレンズとの違いも説明します。

マクロレンズの特徴1

被写体に寄れる

マクロレンズの最短撮影距離の説明写真
マクロレンズも他のレンズ同様に焦点距離で表記されています。

そのため、35mm換算で焦点距離が「50~60mm」を標準マクロレンズ。

「70~100mm」を中望遠マクロレンズ。

「150~200mm」を望遠マクロと呼びます。

この「マクロレンズ」の特徴の一つが「ワーキングディスタンスの短さ。

つまり「寄れるレンズ」です。

レンズカタログには「ワーキングディスタンス」の距離は記載されていません。

代わりに記載されているのが「最短撮影距離」です。

「ワーキングディスタンス」とは

マクロレンズのワーキングディスタンス

すごーく大雑把に言うと、レンズ前面か被写体までの距離です。

みなさんが、接写としてイメージしている距離は実は「ワーキングディスタンス」になります。

「最短撮影距離」

マクロレンズの最短撮影距離

被写体から撮像素子までの距離。

「最短撮影距離」をレンズ前面から被写体までの距離と勘違いしてはいけません。

なぜなら「最短撮影距離」にはレンズの全長も含まれるからです。

レンズカタログから読む

シグマカタログ

マクロレンズは「最短撮影距離」が短く設計されているのが特徴です。

私が所有しているシグマの105mmマクロは生産中止ですが、新しい105mmマクロが生産されています。

それが、MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM

大きな違いは手振れ補正機構の追加です。

サイズやレンズ構成は殆んど変わりません。

カタログではMACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMを参考に考えます。

MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMの「最短撮影距離」は312mmです。

レンズ長さは126mm。

「ワーキングディスタンス」を求めるために「最短撮影距離」から「レンズ長さ」を引きます。

312mmー126mm=186mmです。

この数値から「レンズマウント~撮像素子」距離を引くと詳細な数値が出せます。

186mmー46.5mm=139.5mm。

(レンズマウント~撮像素子までの距離はD750を測定しました。)

MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMは「ワーキングディスタンス」は約139.5mmになります。

この距離はレンズフードを外した状態の距離になるので、レンズフードをつける場合はもっと短くなります。

結果

マクロレンズで撮影した昆虫写真

MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMの「ワーキングディスタンス」は139.5mm。

つまり、レンズ前面から139.5mmの距離まで被写体に近づける事がわかりました。

この数値を聞いて「あれ?」っと思った方もいるのではありませんか?

「意外と寄れない」と。

特にスマートフォンで接写をしていた方はそう感じると思います。

(スマフォやコンデジはレンズ面まで接写が出来ます。)

しかし、比較してみると「マクロレンズ」が「寄れるレンズ」なのがわかります。

普通レンズの場合

マクロレンズではない、ニコンのAF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDを計算してみます。

「最短撮影距離」ー「レンズ長さ」=「ワーキングディスタンス」

1000mmー106mm=894mm。

「レンズマウント~撮像素子」をさらに引きます。

894mmー46.5mm=847.5mm。

ワーキングディスタンスは847.5mmです。

比較

MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMはワーキングディスタンスが139.5mm。

AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDは847.5mm。

同じ焦点距離のレンズで比較をすると、マクロレンズの方が被写体に近づけるのがわかると思います。

約5倍も寄れるレンズなんです。

まとめ

マクロ撮影

マクロレンズは被写体に近づいて撮影出来るレンズ。

近づきすぎると逃げてしまう昆虫撮影では、一定の距離が保てる中望遠マクロレンズが人気です。