視覚

赤外線を見てみたい!自作の赤外線カメラ

夏の畑

朝の淡い赤・夏の爽快な青。世界は複雑な「色」で溢れています。

私たちは常に「色」に囲まれているので、「色」を意識する事はありません。しかし、「色」のついている世界は当たり前ではなく、「色」を感じない生物も存在します。

赤外線風景写真

ヒトと動物や昆虫とでは、見えている世界が違う事は有名です。例えば、イヌは赤色が見えないと言われており、昆虫のハチは、ヒトが見えない紫外線が見えると言われています。

CDで虹をつくる

つまり、私たちが見ている「色」は、光のほんの一部でしかありません。光には目に見えない部分が多く、私たちがヒトが見ている色は、光の「視光」と呼ばれる範囲だけです。

ニコン40mmマクロ作例

通常、有名な「紫外線」や「赤外線」を見る事は出来ません。常に太陽から降り注いでいるのに見えないのです。しかし、「見れない」と言われると気になるのが、私。今はインターネットで検索すれば、どんな画像も見れる時代です。しかし、どうせなら自分の目で見て、感じてみたい。そんな思いから、赤外線を見るカメラを自作する事にしました。

赤外線カメラの勉強

赤外線と撮像素子

赤外線改造カメラ

デジタルカメラに搭載されている撮像素子は、赤外線も受光する特徴があります。それではなぜ、デジタルカメラで赤外線写真が撮影出来ないかと言うと。

ヒトの目で認識が出来ない赤外線を、カメラ内部でカットしているためです。

GRデジタル4を赤外線カメラに改造

赤外線のような、目には見えない光を含んだ情報でデジタル写真をつくると、私たちの見ている景色「可視光」で見える世界とは違ったデジタル写真が出来てしまいます。赤外線により、色のバランスが崩れ、写真として使えないものになります。

そこで、私たちが見えているままを写すため、光から余分な情報を除くのです。多くのデジタルカメラの機種が、可視光だけを使い、写真をつくるように設計されています。

赤外線を除外しているのは

ローパスフィルター
デジタルカメラで赤外線を除外している装置が、「赤外吸収ガラス」です。

赤外吸収ガラスは撮像素子の前に付けられている部品で、光から赤外線を除いています。

しかし赤外吸収ガラスは、ローパスフィルターと呼ばれるガラスで挟んでいる場合が多く、赤外吸収ガラスとローパスフィルターはセットで考えて問題ありません。

赤外線を受光出来るカメラか調べる

GRデジタル4を赤外線カメラに改造
赤外線撮影をするには、デジタルカメラ 内部から赤外吸収ガラスを外す必要があります。

つまり、改造です。

赤外吸収ガラスを外せば、普通の可視光撮影カメラとしては使えません。赤外線撮影専用のカメラになります。

もちろん、改造途中で壊れる可能性もあります。

それでも、改造する覚悟を決めたら、赤外線カメラに適した機種かチェックします。

テレビリモコンを使う

赤外線ライト
テレビのリモコン通信は、近赤外線を利用しています。

そこで、リモコンの赤外線を使って改造するカメラの赤外線感度を確認する事が出来ます。リモコンで使われている近赤外線は、赤色の波長に近いので、赤外吸収ガラスがついたままのデジタルカメラでも、若干受光します。

赤外線感度の確認方法は、デジタルカメラを液晶モニター状態にして、カメラ前にリモコンを置き、リモコンのボタンを押すだけです。

カメラの液晶画面で、リモコンの先端から白い光が点灯しませんでしたか?

その白色で表現されたのが、近赤外線です。

このリモコンを用いた赤外線感度確認で紫色が確認できたカメラなら、赤外線撮影に使用が出来ます。スマフォのカメラでも、リモコンの赤外線を確認出来るので試して見て下さい。

赤外線改造カメラ

マニュアルフォーカスが可能な機種

デジタルカメラは可視光で使うように設計されていますので、オートフォーカス【AF】も可視光用です。

赤外線改造では可視光を遮断するので、撮像素子まで可視光が届かなくなります。可視光が届かないと、AFで利用していた可視光が足りなくなるので、AFが使えなくなります。

AFが効かないとピンボケ写真しか撮れなくなってしまうので、MF操作が可能なデジタルカメラを選ぶのが重要です。

まとめ

目で見る事が出来ない赤外線。

そんな赤外線を見たくなった、カメラを自作して楽しんでみてはいかがでしょうか?

赤外線カメラを自作する前に大切な2のポイントは忘れないで下さい。

①テレビリモコンの近赤外線を受光出来るか。

②マニュアルフォーカスが可能。