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昆虫撮影におすすめの入門書5冊【初心者へ】

「昆虫撮影」はマイナーな趣味です。「昆虫」を好んで見るなんて狂気の沙汰。「昆虫」が好きと話しただけで、周囲から変な目で見られた経験を、あなたもお持ちではありませんか?

ええ、私もあります。最初は周囲の目を気にしながら、「昆虫撮影」を楽しんでいました。

「昆虫撮影」は、複数人が集まらないと出来ない趣味ではありません。あなた1人でも、カメラ・スマフォがあれば「昆虫撮影」は始められます。年齢・性別も関係ありません。

「昆虫」を好きな気持ちがあればOKです。

ただ、「昆虫撮影」は思っているよりも難しい撮影です。被写体は小さく、自由に動き、しかも季節が限られています。最初の頃は「昆虫」がカメラに写っただけで嬉しかったのに…今では撮影が上手くいかずに悩んでいませんか?

つまり、こんな悩みです。

飛翔の撮りかたは?ストロボは必要?レンズはどれがいいの?

この手の疑問って家電量販店で相談しても、適格な答えは帰ってきません。

なぜなら、「昆虫撮影」の撮影状況がイメージ出来ない。当たり障りのないように、レンズやカメラのカタログ内容を話して終わりです。

あなたの聞きたかった、

初心者なら、105mmのマクロレンズがいいですよ。

飛翔は外付けのフラッシュが必要ですよ。

そんな言葉は出てきません。

なら、誰に聞くのか…「本」があります。

「昆虫撮影」で悩んでいるあなたに、まず「昆虫撮影の本」を読んで欲しい!!

「本」は、自分の空いた時間に読む事が出来ます。「ネット」検索する方も多いですが、「勉強」にはやっぱり「本」です。趣味でも学ぶ気があれば、それは立派な「勉強」です。「勉強」への「投資」を惜しまないで下さい。

私自身、たくさんの「昆虫撮影」の本を読みました。「昆虫撮影」とは関係なく、「レンズの本」や「カメラの歴史の本」も読み、本棚はカメラ関係の本でいっぱいです。

今回は、「昆虫好き」による「昆虫撮影」におすすめの本を紹介します。初心者がつまづき易い箇所をしっかりと網羅してある本を選びました。

  1. 昆虫撮影が始めたい
  2. 昆虫写真のレベルを上げたい
  3. 昆虫撮影で便利な機材
  4. 目から鱗の情報

昆虫撮影」は、「本」の記載通りには上手くいきません。しかし、「本」から知識を得て、試行錯誤すると昆虫撮影は大変楽しくなります。

限りない昆虫撮影の世界へようこそ!!

昆虫撮影の勉強になる本

最高の昆虫写真家「栗林慧」の「栗林慧全仕事」

栗林慧著の栗林慧全仕事画像

まず、初心者の方にはレベルが高すぎる「本」を紹介します。

著者は虫の目レンズで有名な「栗林慧」さん。「栗林慧」の名前を聞いた事がありますか?

2015年7月には「アリのままでいたい」という、昆虫の生態を追ったドキュメンタリー映画の撮影総監督も務めた、「昆虫撮影」の神様です。

「栗林慧」さんは、市販品のカメラ機材だけでなく、「昆虫撮影」のために撮影機材を自作する「昆虫」カメラマンです。独創的機材で写される昆虫の世界は、私たちが初めて見る世界ばかりです。

映画、「アリのままでいたい」でも、独自に開発した世界で唯一の特殊カメラを使って、昆虫目線で撮影されています。

栗林慧全仕事」には、これらの独自撮影方法や自作した撮影機材(アリの目レンズ)についても、詳しく説明されています。現在は「改訂新版 栗林慧全仕事」と名前が変わっていますが、内容は同じです。

今の撮影スタイルがマンネリ化していて、「撮影が楽しくない」と考えているあなたにおすすめの1冊。こんな撮影手法があるのか!こんな写真があるのか!と、自分の新たな撮影スタイルを考えたい人は大変参考になる1冊です。

少し難しく感じるかもしれませんが、昆虫写真の初心者の方にもおススメです。

だって、「栗林慧」にしか見せられない世界が「栗林慧全仕事」にあります。

どんな撮影も大丈夫「海野和男の昆虫撮影テクニック」

海野和男著海野和男の昆虫写真テクニック

とにかく写真集が多い「海野和男」さんによる「昆虫撮影」の「本」です。

「海野和男」さんは、チョウの生態写真「チョウはなぜ飛ぶか」(日高敏隆著)という名作内で1970年に発表した「ゼフィルスの求愛飛翔」で、それまでのチョウの写真を変えた凄い人。

「海野和男」さんは、それまでなかった斬新な撮影スタイル、広角レンズとフラッシュの組み合わせによる、チョウの飛翔写真を開拓した「昆虫」カメラマンです。

「昆虫カメラマン」歴も長く、東京農工大学の日高敏隆研究室で動物行動学を学んでいた経歴の持ち主。現在はブログ「小諸日記(デジタル)」が毎日更新されています。

「海野和男の撮影テクニック」では、で豊富な経験から190ページも「昆虫撮影」についてのテクニックがまとめられていています。作例が豊富で、絞り値やシャッタースピードによる違いを、作例を見ながら学ぶ事が出来ます。

初心者が知りたい「疑問」「悩み」については全て書かれています。ネットやお店では知れない「昆虫撮影」で生じる問題への対策もあるので、この1冊で大抵の問題はカバー出来ます。

「海野和男」の「昆虫撮影に広角レンズ」を使うという、少し特殊な作例も豊富に載っているので、新しいイメージを得たい方にもおすすめです。

4人の写真家による「デジタルカメラ昆虫撮影術」

昆虫撮影術の本

「海野和男」「湊和雄」「尾園暁」「高嶋清明」の4人の写真家による昆虫撮影手法が書かれた1冊です。初心者向けの内容もしっかりと書かれており、機材についての紹介が多いです。

「デジタルカメラ 昆虫撮影術」は、

4人の「昆虫撮影達人」が実際に使っている機材がわかる

この本の魅力は何と言っても、4人の写真家が使っている機材が載っている事です。4人のカメラボディ・レンズだけでなく、フラッシュや三脚、LEDやディフュザーの使いこなし方まで、幅広い内容となっています。

撮影機材情報が豊富で、特殊な手法や機材による撮影の紹介は、読みごたえがあります。

私のおすすめは、フラッシュテクニックの項目。「昆虫撮影」において、フラッシュ撮影は欠かせません。フラシュの選び方やフラッシュによる撮影方法は初心者の方なら必ず読むべきです。

新たにフラッシュや三脚など、撮影機材の購入を考えている方は、大変参考になります。あなたが知らなかった機材が必ず載っています。

見て学ぶ「昆虫 4億年の旅」

今森光彦著昆虫4億年の旅

今森光彦」さんによる第28回土門拳賞受賞作品です。

「今森光彦」さんは、(里山)という言葉を広めた写真家です。コマーシャルスタジオに2年勤めた後、好きな昆虫写真でプロになった方。

「昆虫4億年」は写真集のため、昆虫撮影の手法はありません。でも、光を巧みに使用した作品はすごい。コマーシャルスタジオに勤めていた経験が生かされている「光」を生かした写真集です。写真集ですが、学ぶべきことが多い写真集なので「昆虫撮影書」の1冊に入れました。

もう一度言います。

とにかくライティングが素晴らしい。

写真集はフィルムカメラの時代ですが、今のデジタルカメラよりも見ごたえがあるのは「生きている」写真だからです。何年たっても生き残るすごい写真が満載です。海外での作品を中心とした構成になっており、日本は見られない、奇妙でカラフルな昆虫たちが大集合してます。

昆虫をポートレートのように撮影している作品が多く、昆虫写真でも光が大切だと実感させられます。昆虫をただ撮影するだけでは、飽きてしまった方におススメの本です。

構図や光・メッセージを学び、写真を作品へステップアップさせてくれる1冊。

目から鱗の体験談「裏山の奇人」

裏山の奇人の写真

この「裏山の奇人」には、昆虫写真方法については書いてありません、ごめんなさい。

でも、「裏山の奇人」の実体験からの自然体験談は最高に面白く、勉強になります。

昆虫撮影を楽しめる方なら、必ず読んでいただきたい1冊です。

多くの方が知るはずのない、アリヅカコオロギ・シュレーゲルアオガエルの話は、私も初めて知る世界でした。

目にしやすい昆虫だけでなく、足元にも多くの世界が広がっています。

自然の面白さ、自然の不思議さを感じられる本です。

読み終えると必ず、野外へ出たくなる。

そんな珍しい本です。

まとめ

昆虫撮影におすすめの5冊の本

「昆虫撮影」を学べる「本」を5冊紹介しました。直接、技術についての記載がない本も含んではいますが、学び」という面では問題はと思います。

だって、5冊がそれぞれ良い「本」なんです。絶対読んでみて下さいね。