ひょんなことから、キャノンのフィルム時代のレンズ、FD50mmF1.8を手に入れました。
私が所有しているデジタル一眼レフメーカーはニコンなので当然利用出来ません。
調べてみると、キャノンはレンズマウントの切り替えが多く、FD50mmF1.8をデジタル一眼レフカメラには使用出来ないみたいです。
使用出来るなら、キャノンユーザーにあげようと思いましたが、デジタル一眼レフ用の同じスペックのレンズが安く買えるのでやめました。
でも、ただ使えないレンズを持っていても仕方ありません。
そこで、今回はFD50mmF1.8を分解してみました。
キャノンFD50mmF1.8を分解
FD50mmF1.8分解スタート
カメラ機材は多くのネジが使用されています。
しかも、位置によってネジのピッチや長さがまちまちです。
そこで、外したネジの位置を間違えないように白いペンで印をつけます。
レンズ内のカビ掃除を考えている方は、外すネジが多くなるので色は様々な種類を準備しておくといいですよ。
ネジ位置によって色を変えれば、組み立て時に間違える事がありません。
レンズを分解するには一番最初に名板を外します。
名盤はネジ式なので回せば外せますが、平らでツルツルしているため、手では回せません。
そこで、近所のホームセンターでゴムを買ってきました。
これで名板だけを押さえつけながら外します。
ネットでは、名板を外すのにイスの足に着けるゴムを使用している方が多いです。
私もホームセンターで探しましたが丁度良いサイズが売っていなかったので「アオリゴム」を買いました。
価格は300円ぐらいでした。
名板とゴムのサイズが合うように、レンズをお店に持ち込んでサイズを確認したのでサイズはピッタリです。
このサイズを間違えると使用できないので、サイズはしっかりと確認して下さい。
名板はゴム板を合わせて緩めれば外れるはずですが、今回のFD50mmF1.8は全く外れる気配がありません。
原因は接着剤のようなもので止めてあると考え、準備したのが「無水エタノール」
FD50mmF1.8を再利用するつもりもないので、エタノールを名板部に注ぎます。
エタノールで固着物を溶かす作戦です。
エタノールが浸透するまで、少し時間を置き、ゴムで名板を力いっぱい回します。
回す方向は半時計周りです。
また、レンズを床に押し当てて体重を乗せた状態で回すと力が伝わり名板が外せます。
名板を外した跡をみると粘りのある物質が確認できます。
名板が外れなかったのは、この物質が固着していたためです。
古いレンズを分解予定の方は同じ状況になっている場合があるので、名板が外れなかったらエタノールを試してみて下さい。
エタノールにより溶けた、粘着物質をふき取ります。
分解する上で手について作業しにくくなるので、事前にふき取ります。
グリスなどの粘着物質をふき取る上で重宝しているのが、着なくなった服です。
ティッシュでは、細かい繊維が着いてしまうので、着なくなった服(ウエス)がおすすめです。
ウエスでふき取った跡は、綺麗になりました。
次にネジを三箇所外します。
ネジはプラスネジで精密ドライバーで外せます。
ネジを外すと、前玉が外せる状態になります。
前玉がコロンと外れるので、落して傷をつけないように気をつけます。
前玉は綺麗ですね。光を通すとキラキラ輝きます。
前玉の次にレンズマウント部を確認します。
私のFD50mmF1.8では、絞りが固着していて、レバーを操作しても絞りが動きませんでした。
そこで、どんどん分解を続けます。
前玉を外した下に、絞り機構が入っています。
こちらも、プラスネジを三箇所、精密ドライバーで外すと取り出すことができます。
絞り機構は、羽が重ねられて出来ています。
FD50F1.8mmでは、羽枚数が5枚でした。
レバーを操作して開放絞りにしました。
操作の際に少しひっかかる感触があったので、汚れを落す必要があります。
裏側から見ると、羽部分が湿ってるのがわかります。
レンズ内の油分が羽に付着して、動作が悪くなったようです。
油分を落すのに、雑にパーツクリーナーで一気に落します。
油分を落し、動作確認をします。
絞り羽の枚数が、玉ボケの形に繋がります。
FD50mmF1.8の5枚では、綺麗な玉ボケにはならず、カクカクのボケになると思います。
絞り機構の次に後玉を取り出します。
私は分解が目的なので、後玉を前面部から抜き出してしまいました。
後玉ユニットにはネジが切ってあり、レンズ内のアルミ部にハマっています。
レンズ部には、レンズは残っていません。
後は絞りのレバーなどのメカ機構だけです。
アルミ部を取り出します。
取り出すのは、簡単に外せましたが、これが失敗でした。
FD50mmF1.8の後玉を見るとカビが確認出来ました。
せっかくなので、カビ落しにもチャレンジです。
レンズの汚れ落しペーパーとエタノールで拭き落とします。
FD50mmF1.8の後玉は2枚にレンズが重ねられており、カビが内側にも確認出来たので、2枚を分解します。
レンズ2枚はプラスチックのケースで重ねてあるので、精密ドライバーのマイナスでプラスチックを壊さないように外します。
後玉が分解できました。
1枚は薄い黒色がついていました。
これが、元からなのか、古くて劣化したからのかは、わかりませんでした。
2枚のレンズをエタノールで綺麗にしてから、組み直します。
あとは、分解した手順どおりに組み立てれば完成です。
が!この後玉をレンズ内に戻すことができませんでした。
取り外すのは簡単でしたが、はめ込むのは作業がしにくく、時間がかかってしまったので途中で諦めました。
結局、キャノンFD50mmF1.8は、ここまで分解出来ましたが、タイムアップのため、このまま終了です。
おわりに
レンズの分解は中々体験する機会がないので、いい勉強になりました。
カビの清掃でレンズを分解する場合は、後玉は前方から引き抜くのでなく、レンズマウント側から外すした方がいいです。
私は組みなおせませんでした。