モーターが動かなくて、困っているあなたへ
「モーターが動かない。モーターからカラカラと異音がする。モーターの故障判断ってどうするの?」
こんな疑問に答えます。
モーターの故障原因の特定手順
この記事を書いている私は、仕事でモーターを扱っています。仕事でのモーター交換や、モーターのベアリング交換。モーターの故障診断の経験から記事を書いています。
モーターは急に動かなくなる場合が多く、「昨日まで普通に動いていた。」と故障を信じられない方が多くいますが、実は動かなくなる前から、モーターから不具合の兆候が出ています。その兆候に気づけずに故障してしまう場合がほとんどです。
モーターの故障原因はいくつもあるので、今回は動かないモーターのチェック方法を説明します。手順通りにチェックすると、故障原因が見えてきます。
目次
モーターの故障原因の特定手順
モーターの故障診断は、下記の順番で確認すると効率的です。
- モーターの状況確認
- モーターの不具合確認【電気編】
- モーターの不具合確認【機械的編】
①モーター状況確認
①-1 モーターの電源を抜く
モーターが電源を入れても動かない場合、最初に電源をコンセントから抜きます。電源に繋がったままだと、急にモーターが動きケガをする可能性があります。
必ずモーターを触る場合は、電源を抜いて下さい。
モーターの電源を抜きましたか?
それでは、確認を始めます。
①-2 Vベルト・チェーンを外す
モーターはVベルトやチェーンで、動力を他の機械へ繋いでいます。そのVベルトやチェーンを外し、モーター単体の状態にします。
モーターと受動側が繋がっていると、負荷が大きくて動作確認がやりにくいためです。
①-3 モーター軸が手で回るか確認
モーターの軸を手で握り、回転させます。
手でモーター軸を握り、右回りと左回りの両方向に軸を回転させます。ギアモーターやブレーキ付きモーターでなければ、どちらの方向にも、軸はクルクルと軽い力で回転させられます。
プーリーやスプロケットが、モーター軸の先端についていても、Vベルトやチェーンが外れていれば、軸は軽い力で回転させられます。
この回転確認で「回らない、異音がする、一方方向に回らない、回転がスムーズじゃない」といった場合は、モーターの機械的な故障です。
機械的な故障は、モーターを分解する必要があります。
機械的故障の判断だった場合、別記事を参考にして下さい。
②モーターの不具合確認【電気編】
モーター軸が手で軽く回る場合は、電気的な不具合を疑います。
まずは、電源の電圧を測定です。
モーターの電源電圧は、モーターのラベルに記載されています。モーターの種類によりますが、一般的にモーターの電源電圧は、交流の単相100V・単相200V・3相200Vのどれかです。
車や重機・トラクターなどのバッテリー駆動機械で使用されているモーターは、直流モータです。
②-1テスターで電圧測定
電気の確認作業で必ず必要になる工具がテスターです。モーターの動作確認でもテスターを使うので、必ず準備して下さい。
私が使っているテスター CD771
コンセントにテスターのテスト棒を差し込み、電圧を測定します。
テスト棒をコンセントに差し込む際には、テスト棒とテスト棒をぶつけないように気を付けます。コンセントに電気があった場合、テスト棒でショートしてしまいます。ショートさせると、電源ブレーカーが落ちてしまいます。
テスターのレンジは電圧レンジ。直流モーターを測定する場合はDCレンジ・交流モーターはACレンジを使用します。使用するレンジを間違えると数値が出ません。
電源電圧を測定して、電圧がない場合は電源の問題です。
ブレーカーが落ちていると思われます。通常、ブレーカーは落ちません。
ブレーカーが落ちた原因は、過負荷・漏電が考えられます。直ぐにブレーカーを復旧するのではなく、ブレーカーが落ちた原因を探る必要があります。
②-2 配線・スイッチの確認
電源電圧に問題ない場合は、配線とスイッチを確認します。
コンセントを抜き、モーター側の配線も外します。配線だけの状態で、配線の導通を確認をする必要があります。その間にスイッチが付いていても問題ありません。まとめて導通確認します。
配線のコンセント側とモーターの端子側をそれぞれテスト棒を当てて、導通確認します。テスターは導通モードです。導通で音が鳴るテスターが便利です。
導通は配線を1本ごとに確認します。単相100Vなら2本なので2回、三相200Vなら3本なので3回に分けて確認します。スイッチがONで導通・スイッチがOFFで導通が切れれば、配線に問題ありません。
スイッチONでも導通がない場合は、配線かスイッチの不具合が考えられます。配線からスイッチを取り外し、配線とスイッチを単体で導通確認をします。配線なら断線・スイッチなら接触不良が主な原因です。
②-3モーターコイルの確認
電源電圧・配線・スイッチの不具合がなければ、残るはモーターコイルの不具合です。
モーターコイルのテストは絶縁抵抗計(メガー)を使います。しかし、絶縁抵抗計は高価で、一般の方はまず必要ない測定器です。そのため、テスターでの測定を説明します。
モーターコイルも導通で確認します。モーターの端子同士で導通確認をして、導通があれば問題ありません。
三相200Vの場合は、U・V・Wをそれぞれ確認します。UとV、VとW、UとWの導通を確認します。導通が確認できない組み合わせがあった場合、その間のコイルが焼き切れています。モーターの焼き付きは、微かに異臭がします。
コイル間に導通があっても、漏電も考えられます。漏電の確認は、ボディと配線(端子)で導通確認します。三相200Vなら、Uとボディーアース・Vとボディーアース・Wとボディーアースで確認します。(アースは緑色の線です。)
ボディアースで導通があると、モーターは漏電しています。動作させても漏電ブレーカーが動作して、回転はしません。
モーターの漏電は新品交換をします。モーターの漏電を修理するよりも、新品モーターの方が価格が抑えられるためです。
まとめ
いかがだったでしょうか。この手順で確認すれば、モーター不具合の原因が判明します。
モーターの電気的な確認にはテスターは必需品です。
テスターは1台持っていると様々な場面で役立ちますので、買って損はありません。
電気的な問題でなく、機械的な場合は、モーターを分解する必要があるので、難易度がグッと上がります。